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感染自罪のモンタージュ

USB様作

シナリオ詳細

PL人数:3~4人(4人が望ましい)
ロスト率:中~高。出目などにより窮地に陥る事が多分にあります。

時間:20時間程度(テキストセッション)/10~12時間(ボイスセッション)
シナリオ形式:シティ

注意事項

・グロテスクな表現、残酷・過激な描写が含まれます。R18Gとしておりますが、20歳未満の方はプレイしないようお願い申し上げます。
・生還したとしても後遺症の可能性も十分にあり得ます。
・この作中に出る機関、組織、人物などは全て架空でありフィクションです。

探索者要件

固定職業

刑事(新規・継続不問)

推奨技能

<心理学><精神分析><目星><戦闘技能>

 

準推奨技能

<応急手当><運転:車><機械修理><コンピューター>

 

■前提
あなた方は『刑事』である。元々関りがある仲であろうと、そうでなかろうとどちらでもよい。
大事なのは自身が『刑事』であり、それに準じているという点に尽きる。

導入

一週間程前、とある刑事が自宅で死亡しているのが発見された。
自宅は東京都千代田区に位置する八階建てのマンションの一室。
刑事の名は【樋川裕孝(ひかわ ひろたか)】、警視庁刑事部捜査一課の警部補である。
彼を知る者が居るとするのなら、皆口を揃えて樋川の事を「真面目な刑事」と言うだろう。
その真面目な刑事がある日、一日だけ無断欠勤をしたのだ。それが発見に至るきっかけである。
無断欠勤などたったの一度もしてこなかった樋川を心配し、その部下が彼の自宅に足を運んだ。
大家に事情を説明し鍵を開けさせれば、そこにあったのは凄惨な光景だった。

扉を開けた瞬間から香るのは、瞬時に吐き気を催す程の腐敗臭だった。
それに加えて外とは比べ物にならない蒸し暑さがあった。
果実や肉が数日間放置された後のような匂いに、ただ事ではない空気を感じ、部下は慌ててその一室に足を踏み入れる。
奥に行けば行くほどに匂いはきつくなっていく。厭でもその匂いが何であるかは解ってしまった。
リビングに辿り着けば、首を傾げるようにして座っている樋川の背がソファ越しに目に入った。
声を掛けても微動だにしないその体を見て、「死体だ」とその部下はすぐに理解したらしい。
悲しみや悔しさよりも大きく体を動かしたのは「どうして」という疑問だった。
それもあり、意を決して樋川の顔を見ようとしたが、……すぐに後悔する事となる。

腹は割かれていた。
豚の血を抜くように切り開かれた体には、腐った果実や肉がぎゅうぎゅうに敷き詰められている。
樋川の手には果物ナイフが握らされ、もう片方の手には体に押し込もうとして叶わなかったらしい林檎が握らされていた。
他殺だと誰もが言う死に様ではあるものの、指紋の付き方、切り傷の角度などの状況だけ見ればそれは完全な『自殺』だった。
何よりも、彼の遺体の前に鎮座するスマートフォンがその状況を如実に語っていた。

そのスマートフォンには、樋川裕孝が死に至るまでの自殺の映像が記録されており、最後にはこのような言葉が綴られていた。

『一週間後、またお会いしよう』

……
警視庁は上記事件を単なる自殺、または単なる殺人事件として扱わず『異常犯罪』と位置付けた。
自分達と同じ刑事を、このように死に至らしめた第三者が居る事は明白だったからだ。
あなた方はこの事件に対して招集された『警視庁刑事部異常犯罪対策チーム』の一員である。

一週間後と言われたその日は、刻一刻と近づいていた。

野乃卓案内所

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